スリッパは外国のもの?日本のもの?
スリッパを和英辞書で引くと、「slippers」という単語があります。名前からしても、欧米から入ってきたものと思いがちですが、よくよく考えると、欧米には室内で靴を脱ぐという習慣がありません。とすると、いったいスリッパはどこから来たのでしょうか?
スリッパは日本人の発明品
実は、今日本で使われているスリッパは、日本で発明されたものなのです。
現在使われているスリッパが最初に作られたのは明治初期と言われています。当時開国した日本には、言葉も文化も違う西洋人がたくさん入ってきました。ご存知のように、西欧には、建物に入るときに靴を脱ぐという習慣がありません。そのため土足で畳に上がったりと、当初トラブルが絶えなかったと伝えられています。
これを解決しようと、徳野利三郎という人物が作ったものが、現在のスリッパの原型と言われています。西洋人は、このスリッパを靴の上から履いていたといいます。
このように日本で作られたものですが、元来外国人向けに作られたこともあり、英語で上靴を意味するslippersから、「スリッパ」と名づけられたようです。
ちなみに英語でslippersというと、一般的に靴の形をした底の柔らかいものを指します。
スリッパの製造工程
スリッパの仕組み - スリッパは5つのパーツから
ここではスリッパの出来るまでを簡単にご紹介します。1つのスリッパを作るには、大きく分けて、生地の仕分け、生地のラミネート加工、裁断、縫製の4段階があります。1足出来上がるまでに関わる人数は、のべ20人程度です。
スリッパは通常、図のように「甲」「中敷き」「テープ」「ヒール」「底」の5つのパーツから出来ています。これらを縫い合わせて最終的に一つのスリッパが出来上がります。
1.生地の仕分け - 生地は「甲」「中敷き」「テープ」の三つへ
まずはスリッパに使う生地を決め、一反の生地を目的別に切り分けます。「底」と「ヒール」には生地を使いませんので、
- 「甲」の部分用
- 「中敷」の部分用
- 「テープ」の部分用
2.ラミネート加工 - 目的別にラミネート
仕分けた生地に、ラミネート加工を施します。
「中敷」用の生地にはウレタンを、「甲」の部分の生地にはEVA※又はウレタンをラミネートします。「テープ」用の生地はラミネートしません。
(※)EVA・・・E=エチレン、V=酢酸ビニール、A=混合
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| ラミネート加工を施しているところ | |
3.裁断 - 三つの生地を目的の型に裁断
生地を部分ごとに裁断します。中敷の部分と甲の部分は、生地を何枚か重ねて型押しで裁断していきます。
テープの部分はスリッパのカーブに合うように角度をつけて裁断しなければなりません。そのため、生地の約1割がロスになってしまいます。スリッパのタイプによって、直断かバイヤスに裁断しますが、バイヤスの場合ロスが直断より多くなります。
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| スリッパの型(中敷き部分) | テープ幅裁断機 |
4.縫製
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| 中敷きの制作 |
上で加工した「中敷き」の生地にEVAを張り合わせて縫製します。このとき、生地とEVAの間にウレタンを入れることで、スリッパを履いたときにやわらかく感じるように加工します。
「甲」制作「甲」用に裁断した生地に、裏地(綿パイルなど)を縫いつけ、強度を上げます。
テープ巻きこれまでで出来上がった「中敷き」と「甲」を縫い合わせ、さらに周りにテープを縫いつけ補強します。
これでスリッパの上の部分が完成です。
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| ヒール |
かかとの形にかたどったEVAに、テープを巻き、縫い付けます。
「底」の制作スリッパの底の形にかたどったEVAに、裏からビニールレザーをあて、特殊な機械で糊を溶かしながら、包み込んで糊付けします。
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| 仕上げ |
これまでに完成したスリッパの上の部分と、底のあいだにヒールをはさみ、縫い付けます。
完成
以上でスリッパの完成です。 現在でも縫製などは職人さんが一足一足、品質をチェックしながら丁寧に作っています。こうして、質の高い、履きやすいスリッパが完成するのです。








